■採用実績
――2014年春の新入社員数を教えてください。
全体で約60人、総合職はそのうち約70%で、あとは事務職や、生産ライン管理などを担当する技能職です。全体のうち大卒以上は約70%、うち学士約30%、修士約50%、残りは高専卒等です。
――技能職とは?
現在、実際にロボットなどの製品を組み立てる作業は当社関係会社の製造専門会社が請け負っているのですが、生産ラインを効率的に構成する「生産技術部門」や製品の品質を確保する「品質保証部門」という部署は安川電機内にあって、その仕事をするのが技能職です。大卒生のほか、高卒生も採用しています。
――男女比を教えて下さい。
総合職のうち女性は約15%、その他については、約50%が女性です。
――文系、理系の割合はどうですか。
理系は約80%、文系は約20%です。細かな職種別には採用はしていません。
――来年春入社予定の人数は?
2014年より総合職は結果として約20%増えた状況です。総合職の割合は全体の約80%、うち修士約60%、学士約30%、その他が高専卒です。女性は約15%で、文理別でいうと理系約80%、文系約20%人ですね。総合職の人数は増えていますが、技能職も含めた人数で見るとここ数年それほど変化はありません。
――2014、15年入社の女性の数がいずれも総合職約15%ずつですが、この数字はどう見ていますか。
少ないですね。エントリー数で見ても女性が少ないので、いろいろ手を打っていきたいと思っています。個人的には採用の半数以上は女性にしたいと思っています。
――なぜですか?
仕事を進める上で、男性の特性と女性の特性は、違うと感じています。女性社員を見ていると、特に技術系だときめ細かい部分や、お客様のニーズに配慮した製品を開発する姿勢はどちらかというと女性のほうが得意なのかなと感じる。今後市場をさらに広げていくにあたっては、男性の力だけではなく、ニーズに敏感な女性社員の力も必要になってくると考えています。
――現社員の女性の割合は?
12~13%程度です。理系の中でも機械や電気といった工学系は女性の割合が少ないのが一因かもしれません。最近は会社の規模拡大にあわせて関西や関東での採用活動に力を入れてきたのですが、女性はどちらかというと地元志向が強いという話を聞きますのでので、もう一度九州での採用活動、PRに力を入れるべきなのかもしれません。
――新入社員や内定者の出身地の割合は?
九州は5割で関東が3割、関西は2割弱ですね。最近は結構、関東でもセミナーなどに出展しているので。出身高校が九州という人も多いですが、まったく九州に縁のない方も増えてきています。
株式会社 安川電機
2016シーズン 【第6回 安川電機】
自分の言葉で意見が言える人は○ ロボットなど世界トップに誇り
安川電機 人事総務部人事グループ人事課長補佐 上岡耕一(うえおか・こういち)さん
2014年12月05日
技術系は研究テーマがポイント イチかバチか突き抜けるようなことESに書いて
■エントリー、スケジュール
――プレエントリー、エントリー、それぞれの数を教えてください。
2014年春のプレエントリー数は数万人です。実際にエントリーするのがその約30%ぐらい。2013年までは増え続けたんですが、2014年は減りました。売り手市場化した中でエントリーは超大手だけ増えてそれ以外は減る傾向にあるので、その影響かと思いますが、原因はもう2~3年見ないとわかりませんね。
――採用の流れを教えて下さい。
2015新卒採用は、企業説明会が2013年12月1日にスタートし、14年1月くらいまで行って、エントリー締め切りは2月末まで。そのあと書類選考、グループディスカッション(GD)をしました。GD時には適性検査も実施。ウェブ上ではなく、その場で筆記させる形です。GDと検査の結果で1次選考を行い、そのあと1次面接、最終面接と2回面接しました。
――2016年新卒採用のスケジュールはどうなりますか。
基本的には経団連の指針通り、3月1日に広報活動をスタートし、8月1日から選考して内々定を出すというスケジュールで考えています。一方で他社は8月より随分早い段階で内定を出すという情報も入ってくるので、他社の動向を注視するようにしています。また、広報活動はこれまで12~1月の2カ月間に幅広いエリアで分散して行っていたのですが、広報活動開始となる3月1日以降大学側からの学内説明会の要請が集中しており、それを現メンバーでどうするかも課題です。
■ES
――エントリーシート(ES)はどんな項目ですか。
資格、スキル、趣味、特技、学業、ゼミ、研究室などで取り組んだ内容、自己PR、学生時代に打ち込んだこと、希望職種(書かなくても可)、入社後に実現したいことといった項目があります。
――特に注目するポイントは?
一つは、学業、ゼミ、研究室などで取り組んだことです。採用する学生の8割くらいは理系。当社の事業に必要な技術者を採用するため、なぜその研究テーマに取り組んだのか、その過程でどんな壁にぶち当たり、それを克服するためにどう検討し、検証し、その結果どうだったのかという、一種のPDCAサイクル(Plan計画→Do実行→Check評価→Action改善の順に行う業務管理手法)をきちんと回せていたかどうかを見ます。
――ロボットの研究をしている学生は有利ですか。
事業と研究内容がマッチしている必要は、必ずしもありません。弊社の主力事業はロボットやACサーボモータ、インバータですが、それを研究しているから必ずしも就職に有利ということはありません。とはいえ、学部でいえば機械工学、電気制御といった「機電系」出身は農学系や理学部系に比べて、入社後のアドバンテージは多少なりともあると思います。
――ほかにどんなところを見ますか。
学生時代に打ち込んだことですね。安川電機に入社すると、仕事を与えられるよりも自分から新しいものを作っていく機会のほうが多い。自分で目的、目標を持って真っすぐ打ち込める人が必要だし、そういった人を探し当てたいですね。
――他社のESでは必ずある「志望動機」を書く欄がありませんね。
安川電機のホームページに出ている中期経営計画に載っていることなど、みんな同じようなことを書く傾向があるので、必要ないと思っています。だから、面接でもあまり志望動機は聞きません。聞くと、みんなほとんど同じことしかしゃべらないんで。今だと例えば「ロボティクスヒューマンアシスト事業」について記憶したことをダーッとしゃべり出したりするけど、皆さん同じなのであまり意味がない。
――なるほど。「希望職種」の欄がありますが、希望は通るのですか。
必ずしも希望どおりになるとは限りませんが、本人がなぜその職種を希望するのかを聞くことによって、その人がどのような考えを持っている人物なのかを見ることができます。
――ESで印象深かった記述はありますか。
私は今年から採用担当になったのでまだ分からないこともありますが、みなさん真面目で、突き抜けるようなことを書いてくる人があまりいない印象を持ちました。学生にとっては真剣勝負なので、イチかバチかで書くより無難なことを書きたくなる気持ちは分かりますが……。イチかバチかで突き抜けるようなことを書いてきた学生は、私は「チャレンジ枠」として次に進めますね。
――書類選考ではどれくらいに絞りますか?
およそ3分の1ですね。
――プレエントリー、エントリー、それぞれの数を教えてください。
2014年春のプレエントリー数は数万人です。実際にエントリーするのがその約30%ぐらい。2013年までは増え続けたんですが、2014年は減りました。売り手市場化した中でエントリーは超大手だけ増えてそれ以外は減る傾向にあるので、その影響かと思いますが、原因はもう2~3年見ないとわかりませんね。
――採用の流れを教えて下さい。
2015新卒採用は、企業説明会が2013年12月1日にスタートし、14年1月くらいまで行って、エントリー締め切りは2月末まで。そのあと書類選考、グループディスカッション(GD)をしました。GD時には適性検査も実施。ウェブ上ではなく、その場で筆記させる形です。GDと検査の結果で1次選考を行い、そのあと1次面接、最終面接と2回面接しました。
――2016年新卒採用のスケジュールはどうなりますか。
基本的には経団連の指針通り、3月1日に広報活動をスタートし、8月1日から選考して内々定を出すというスケジュールで考えています。一方で他社は8月より随分早い段階で内定を出すという情報も入ってくるので、他社の動向を注視するようにしています。また、広報活動はこれまで12~1月の2カ月間に幅広いエリアで分散して行っていたのですが、広報活動開始となる3月1日以降大学側からの学内説明会の要請が集中しており、それを現メンバーでどうするかも課題です。
■ES
――エントリーシート(ES)はどんな項目ですか。
資格、スキル、趣味、特技、学業、ゼミ、研究室などで取り組んだ内容、自己PR、学生時代に打ち込んだこと、希望職種(書かなくても可)、入社後に実現したいことといった項目があります。
――特に注目するポイントは?
一つは、学業、ゼミ、研究室などで取り組んだことです。採用する学生の8割くらいは理系。当社の事業に必要な技術者を採用するため、なぜその研究テーマに取り組んだのか、その過程でどんな壁にぶち当たり、それを克服するためにどう検討し、検証し、その結果どうだったのかという、一種のPDCAサイクル(Plan計画→Do実行→Check評価→Action改善の順に行う業務管理手法)をきちんと回せていたかどうかを見ます。
――ロボットの研究をしている学生は有利ですか。
事業と研究内容がマッチしている必要は、必ずしもありません。弊社の主力事業はロボットやACサーボモータ、インバータですが、それを研究しているから必ずしも就職に有利ということはありません。とはいえ、学部でいえば機械工学、電気制御といった「機電系」出身は農学系や理学部系に比べて、入社後のアドバンテージは多少なりともあると思います。
――ほかにどんなところを見ますか。
学生時代に打ち込んだことですね。安川電機に入社すると、仕事を与えられるよりも自分から新しいものを作っていく機会のほうが多い。自分で目的、目標を持って真っすぐ打ち込める人が必要だし、そういった人を探し当てたいですね。
――他社のESでは必ずある「志望動機」を書く欄がありませんね。
安川電機のホームページに出ている中期経営計画に載っていることなど、みんな同じようなことを書く傾向があるので、必要ないと思っています。だから、面接でもあまり志望動機は聞きません。聞くと、みんなほとんど同じことしかしゃべらないんで。今だと例えば「ロボティクスヒューマンアシスト事業」について記憶したことをダーッとしゃべり出したりするけど、皆さん同じなのであまり意味がない。
――なるほど。「希望職種」の欄がありますが、希望は通るのですか。
必ずしも希望どおりになるとは限りませんが、本人がなぜその職種を希望するのかを聞くことによって、その人がどのような考えを持っている人物なのかを見ることができます。
――ESで印象深かった記述はありますか。
私は今年から採用担当になったのでまだ分からないこともありますが、みなさん真面目で、突き抜けるようなことを書いてくる人があまりいない印象を持ちました。学生にとっては真剣勝負なので、イチかバチかで書くより無難なことを書きたくなる気持ちは分かりますが……。イチかバチかで突き抜けるようなことを書いてきた学生は、私は「チャレンジ枠」として次に進めますね。
――書類選考ではどれくらいに絞りますか?
およそ3分の1ですね。
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